社会的共通資本 / 宇沢弘文 (2000) ... dasa
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Last update: Jan. 31, 2026, 9:49 p.m.

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ノーベル賞候補にもなった数理経済学者が出した結論が、社会は道徳にもとづくべき、というのが面白い。2000年に出版されたこの提言は、べき論ばかりで現実的でない面が多く、ほとんどどの国の政策にも反映されなかった。それでも、混とんとした現代社会への救いの道として今なお否定されず存在しているように思える。
いままでいかに自分が資本主義を是とする価値観に浸されてきたかということを思い知らされて、震えた。資本主義の改善策として社会主義が生まれたはずだけれど、みんな社会主義を否定するだけで資本主義は改善されていない。

自己啓発本的にとると、自分の価値観を守りなさい、と読めた。宇沢曰、林業や農業は、資本主義によって危機的な状況にあるけれど、もし従来の道徳でそれらを評価していれば、こうはならなかったはず。グローバリズムが進行して多様な価値観にさらされるのは仕方ないけれど、うちはうち!そとはそと!の精神で、それぞれを混ぜすぎず、維持することも時には必要か。自他が本来的に違うものであるということを否定して、すべからく1つであるべきだという教育を受けてきたのかもとしみじみ思い返してみる。いままで、日本のものづくりはすごい!とかいうのに誇らしく思っていたけれど、それは世界の競争で勝つのを是とする価値観によるものだと気づく。狭い世界で生きててもええやん。

日本にも、ニュージーランドの脱成長みたいなのを掲げる政治家はいるんでしょうか。

そういえば、かつて工学部にいた先輩が退学して農業を始めた。哲学的な理由とおっしゃってたけど、もしかしたら社会的共通資本論に目覚めたからかもしれない。

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